強い志望動機があっても続かない場合もある

医療関係の仕事を志す者の志望動機に「誰かを救いたい」ということが強いモチベーションとなっている事があります。本人がかつて大病や大怪我により医師に命を救われた経験を持っていたり、純粋に医師や看護師など命を救うことに携わる仕事に大きな意義を感じていたりします。ただ、理想を追うだけでは成り立たないのもこれらの医療関係の持つ側面なのです。病院の慢性的な医師不足により、研修医や門外漢の医師に多大な負担がかかること、一向に改善されない過酷な労働環境により、看護師の離職率の高いこと、精魂込めて治療を施しても、どうしても救えない命は存在してしまうことなどやり切れない事はたくさんあります。それなのに、処置をひとつ間違えば「医療ミス」として取り上げられてしまうという状態です。
理想を掲げて職務に従事するのはいいのですが、医師や看護師だって人間なので、仕事内容や労働条件に伴った待遇が維持されなければ、すぐにその職場を辞め、もっと働きやすい環境を求めるのは当然の事でしょう。せっかく取得した資格があるというのに、医師や看護師自体をやめてしまうこともあるようです。実際、医師や看護師などの病院関係の求人は多いものの、応募者は少ないのが現状のようです。
「働く場所」としての病院のあり方や、「働く人」としての医師や看護師などの待遇の改善などは必要で、処置に失敗したからと執拗にミスを指摘して病院を迫害するのではなく、最善を尽くした医師に感謝の念を持って接して欲しいと思います。私達の命を救う立場の人たちを私たちが救わなければ、万が一我々の命が危ぶまれた時にその命を救ってくれる存在がいなくなってしまうという事を覚えておきましょう。医療関係に携わる人たちに感謝とリスペクトする気持ちを忘れたくないものですよね。

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